EVENT & NEWS

【TOPICS】地球暦と世界の暦 / グレゴリオ暦(キリスト教カトリック派)

今日世界中で最も多く使われ、グローバリズムの潮流の中で、歴史的に優位に立ちスタンダードを確立したグレゴリオ暦。
1582年にローマのグレゴリウス13世が制定したことからグレゴリオ暦(Gregorian calendar)という正式名称となり、われわれ日本では通称「西暦」として広く知られている。

前身のユリウス暦が128年で誤差1日だったのに対して、グレゴリオ暦では3221年で誤差1日となり、精度的には非常に進歩した。改暦した大きな理由としては、当時10日ほどズレていた春分の日を、正確に天文現象とすり合わせることにあった。春分はキリスト教の宗教行事の中でも最も重要である復活祭(イースター)の選日に関わっている。復活祭は移動祝祭日で、毎年、春分を過ぎた満月の後の日曜日と決まっている。そのため起点となる春分が10日もズレていることは非常に大きな問題だったのだ。

1582年に制定後、カトリック諸国(イタリア、スペイン、ポルトガル、ポーランド、フランス、リトアニア、ベルギー、オランダ、ドイツ、スイス、ハンガリー)はスムーズに改暦されたが、同じキリスト教でも宗派の違うプロテスタント諸国(ドイツ、デンマーク、スウェーデン)は1699年にようやく改暦し、およそ1世紀遅れて批准することなった。その後2世紀ほど遅れて日本をはじめとした諸外国(アラスカ、韓国、中国、ソビエト、ギリシャ)が改暦することになり、世界の多くの地域でメジャーな暦となったが、けっして世界標準というわけではなく2016年にサウジアラビアが改暦するなど、今も少しずつ領域を広げている。※日本は1873年西暦採用。

これだけ世界標準になっているグレゴリオ暦だが、満場一致で世界暦になっていない理由としては、その複雑な枠組みにあると言える。各月の長さが一定でなく、暦日と週日の関係性なども一定でないため、数字をカウントとしては単純に覚えにくい不便がある。来年の今日は確かに同じ日付になり、3千年以上もずれないという点では、太陽暦としての役割を果たしているが、日常使う庶民生活の中では来月の日付すらページをめくらないと分からないような難解さは否めない。そのため世界暦の協議もたびたび行われてきたが、各案とも西暦のマイナーチャンジであり、決定的なアップデートにはならず今日に至っている。

誤解を恐れずに言えば、わかりにくさ故に、数字を大きく強調する必要があり、今日の商業カレンダー類も実用性から不自然なほど大きく数字が表記されている。また普段は数字の枠組みしか見ることがないため、その中に365日すべてに紐付いた宗教行事があることはあまり意識されていない。

グレゴリオ暦の政治的サイクルは1月1日の元旦からスタートしているが、宗教的サイクルとしては古くから春分を基点にした春はじまりである。

そして春分後の満月後に行われる復活祭(イースター)で太陰(月)の要素と噛み合わせて、月を追いかけていく。グレゴリオ暦の表面上の仕組みでは太陰暦が省かれているため、月の匂いのしないカレンダーという印象があるが、伝統的な教会暦では日没で1日を始めるという観点から、本来は月のめぐりに即して年中行事があったと思われる。復活祭(イースター)が最頂点の行事であることは、その前の四旬節、その後の復活節と、春全体(90度間)にまたがっていることからも重要性が窺い知れる。

エジプト暦、ローマ暦、ユリウス暦、グレゴリオ暦と、歴史を引き継ぎながら、マイナーチェンジしてきた背景から、実際の天文的な節などとは完全に一致はしていないが、宗教行事のなかには大きな目安となる祝祭日が隠れている。例えば、キリストの養父の聖ヨセフは「春分」、洗礼をした聖ヨハネは「夏至」、大天使の聖ミカエル「秋分」、そしてキリストのクリスマスは「冬至」という具合である。

図・文責 : 杉山開知 / 暦は2018年度版

全国リリースイベントツアーFINAL!次回は3月31日(土) 新潟県長岡 ・4月1日(日)山形鶴岡、4月8日(日)札幌です!
2018年版 地球暦、日本語版・英語版、好評発売中!
💿音楽CD「The Time, Now 2018」

🌙全国取扱店の申込みも承っております

Related articles